読書の森

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【感想】君に恋をしただけじゃ、何も変わらないはずだった

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この本は「君に恋するなんて、ありえないはずだった」の中に出てくる磯貝久美子(いそがいくみこ)がヒロインの物語だ

あらすじ

広島の大学へ通う柏原玲二(かしはられいじ)が最悪な出会い方をした女の子、磯貝久美子。彼女は玲二の可愛がってる後輩、米倉奈央也(よねくらなおや)が偶然再開したという小学校以来の幼馴染だった。玲二奈央也久美子に対する恋を応援するが、生まれ持った悪運で何度も久美子と出会ってしまい、あらぬ誤解を生んでしまう。さらにイケメンな医学生も加わりものすごいぐちゃぐちゃな関係になってしまう。果たしてどうなるのか。気持ちが揺れ動く、青春ラブストーリー。

見どころ

  1. 玲二がものすごい不運の持ち主
  2. 脇役が主人公
  3. 絶望からの這い上がり

 

まず最初の玲二が不運の持ち主ってところだ。

玲二は生まれながらの不運の持ち主で、電車に乗れば酔客に汚物をかけられ、バイトすれば店は必ずつぶれ、買ったパンに異物混入が数回など、軽微なものから重大なものまで。そして今までに付き合った彼女には全員にひどい別れ方をされている。特に3人目の相手はゆかりという元カノには、浮気され、急に音信不通。これをきっかけに玲二「もう恋なんてしない。」と心に誓った。これは冒頭での話だが、物語中にもその不運は発揮される。笑えるものから可哀想だなというものまで。その不運がどのように恋に関わっていくのか。絶妙に恋と繋がっているので面白い。

 

次に脇役が主人公。これは恋の主人公は奈央也久美子。途中でイケメン医学生も入って三角関係になる。この関係に玲二は入っていないため、物語のほとんどは「脇役」なのだが、徐々に関わっていくうちに久美子が気になってきてしまう。奈央也に悪いという気持ち、もう恋なんてしないと誓った思いも抱えながら1人で葛藤する。果たして「主人公」になれるのか?奈央也をとるか、久美子をとるか。どうする、玲二

 

最後に絶望からの這い上がり。

⚠️ここからは少しネタバレを含んでしまうので注意

 

奈央也は学祭の時に久美子公開告白をする。しかし、久美子は戸惑って答えを保留にする。その時玲二久美子に脅され二人きりで出かけてしまう。これを奈央也に知られ久美子にこれ以上関わるなと言われる。もう好きな人に会えないという絶望と持ち前の不運で心身共にボロボロ。読者全員が「あ、終わったな。」と思うが、ここからいろいろ奇跡が起きる。最終的にどうなるのか自分の目で確かめてほしい。

 

まとめ

この本は大学生ならではの心情の変化や場面があってなかなか面白い。途中では読者までキュンキュンさせられてしまう。前作の「君に恋するなんて、ありえないはずだった」を読んでからの方がより楽しめるだろう。ぜひ読んでみてはいかがだろうか。